2021年1月31日
今年もまた無事この日を迎えることができました。
昨年の入試前後から始まった世界的パンデミック。
今年の受験生たちは全国一斉休校・緊急事態宣言に始まり、
2度目の緊急事態宣言下で入試本番に挑むこととなります。
運命のいたずらを悲観してばかりもいられませんが、子供たちだけではなく、
受験生を抱える保護者の皆様も気が気ではない一年を過ごされたことと思います。
ニューノーマル。
こんな時代がやって来ようとは誰が予想出来たでしょうか。
様々な業界が新たな日常を求められたこの一年でしたが、
教育業界もまた大きな変化を余儀なくされた年でもありました。
オンライン授業に、高校入試出題範囲の削減、そして大学入試改革による共通テスト開始。
今年の受験生たちは本当に大きく振り回された一年だったことと思います。
今はただ、今年度の入試日程が無事最後まで終えられることを祈るばかりです。
例年、受験生たちへのエールをこの日記に書かせて頂いて来ました。
昨年から各生徒への個人的なメッセージは控えさせて頂きましたが、
今年もまた中学受験生全員へ向けたエールを送りたいと思います。
高校入試、大学入試と続きますので、感傷に浸ってばかりもいられませんが、
一先ず今日だけは小学6年生たちのことを第一に考えたいと思います。
愛しの中学受験生諸君
いよいよだね。
この日記を読んでるのは移動中かな、それとも朝ごはんを食べながらかな。
どう?緊張してる?
緊張してて当然です。
だって、君たちにとってとても大切な日々が今日から始まるんだからね。
いや、まずは今日のこの一日だね。
そしてそれは、今君たちの傍にいる人たちにとっても同じことなんだ。
この一年、色々あったね。
本当に色々あった。
オンラインで寝るギリギリまで一緒に勉強して「おやすみ」って笑ってたのも、
今となっては良い想い出だね。
夏期講習も冬期講習も朝から晩まで教室で勉強したね。
今日も一人一人と握手した後、君たちにすぐ手を消毒させたのも、いつか笑える日が来るといいな。
君たちにとっては受験が終われば忘れてしまうような日々だったかもしれないけど、
僕にとってはその一瞬一瞬が最高の想い出です。
コロナに悩まされ続けた一年だった。
ずっと教室の窓を開けてたから寒かったね。
正月特訓では恒例のハーゲンダッツもみんな無言で食べたね。
元旦、自粛しなきゃならない中、こっそり豪徳寺でお守りの豆猫(招き猫)を買って来たことは内緒です。
マスク越しでも君たちの笑顔が見られる瞬間は、僕の最高の喜びでもありました。
豆猫忘れないように、かばんに忍ばせて持って行ってやってね。
今年の受験生たちとは、「道」(メール講座)もやって毎日繋がってたから、
今はまだ実感がないけど、明日から急に寂しくなりそうです。
今日までよく頑張ったよ、本当に。
それだけは自信を持って。
そして自分を褒めてあげてください。
「道」の最終回でも伝えたけど、君たちにとっての「ゴール」はもう目前であることに間違いはない。
誰一人として例外はなくね。
でもね、そのゴール付近には本当に何十人、いや何百人が立ち往生してたりもする。
そのあと一歩、あと一点を取りに行こうとした者だけが踏めるゴールラインでもあるんだと思う。
各科目、一歩一歩踏みしめながら、一問一問を噛みしめながら前へ進んでください。
分からない問題が立ちはだかった時、無駄に焦る必要はないけど、
安易に「皆も出来てないはず」とは思わないこと。
何度も言うけど、その一問、その一点を取りに行ってください。
今日からの連戦、不安だったり、困ってたりしたら、いつでも教室に来るなり、連絡するなりしてください。
でも後ろを振り返る必要はない。
君たちは正しい道を歩んで来たから、今日からも全力で歩みさえすれば、結果は自ずとついて来ます。
大丈夫。
毎年のことだけど、君たちには「毎朝5時半に起きること」をお勧めしたね。
失敗した日、自分の弱さを知った日もあったと思うけど、
自分に打ち勝つことが出来た日が一日でも多くあったならそれで十分。
自分に強い人は、人に優しくなれる。
そしてそんな大変なことを習慣に出来た子には、きっと良い出来事が起こるはず。
よく頑張ったね。
そろそろ時間だね。
では、最後にもう一つだけとっておきの受験必勝法を伝えます。
毎年言ってることだけど、「言霊(コトダマ)」についてです。
言葉には不思議な力があって、何気なく発した言葉が、相手を悲しませたりも喜ばせたりもする。
自分自身をもね。
今、君たちの目の前、いや隣り、いや後ろかな。
君たちの傍にいる君たちにとって一番大切な人たちに伝えて欲しい。
「今日までありがとう」って。
喧嘩したこともあったかな。
叱られたこともあったかもしれない。
でも、その人たち無くしては今の君たちはあり得なかったこと、君たちにはよく分かってるはず。
何もかも助けてくれたよね。
本当に何もかもやってくれたと思う。
いつも君たちの味方だったはず。
そしてこれからもずっとね。
決して君たちだけが一人で頑張った訳じゃない。
勉強だけが全てじゃないから。
面と向かって「ありがとう」なんて照れ臭くて言えないって君たちは言うかもしれないけど、
今なんだよ。
今じゃないと意味がない。
試験会場に着いて別れる瞬間でもいい。
どうしても恥ずかしければ、フィンランド語で言ってみるのもアリだよ。
「キートス」ってね。
まあ、それは最終手段です。
ただ、その君たちにとっての大切な人たちにはこれでもちゃんと伝わるはずです。
これだけはどうしても譲れない僕からの最後のお願いです。
必ずその気持ちを伝えてから試験に臨んでください。
そして、別れたら決して後ろを振り返らないこと。
その大切な人たちは、君たちのその少しだけ頼りない、でも立派な後ろ姿を見るために、
今日まで付き添ってくれたんだから。
胸を張って会場入りしてください。
これでバッチリ。
あとは入試を存分に楽しんでおいで。
きっと結果はついて来る。
では僕からも。
君たちと出会えた奇跡に心から感謝しています。
今日までありがとう。
君たちの健闘を祈っています。
2021年(令和3年)1月31日
学習教室キートス
遠藤佳映