2019年1月31日

2019年1月31日

すっかり年に一度の更新となってしまった「塾長日記」ならぬ「塾長年記」を記すべく、
今年もこの一年を振り返るひと時です。
2019年1月31日。
もう日付も変わってしまいましたが、今年も一年間、
保護者の皆様に支えられ、そして愛しの生徒たちの笑顔に救われながら、
なんとか走り抜けて来られました。
この場をお借りして、全会員の保護者の皆様に御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

先程、今年度の中学受験生全員と固い握手を交わし、
今年も無事受験生たちを元気に送り出すことが出来ました。
紆余曲折ありましたが、
今年度、私が最後まで指導に携わることが出来た中学受験生は、総勢10名。
例年のごとく、ここに全生徒へのメッセージを残させて頂きます。


Y・A君
君がキートスに入会したのが2016年の3月です。長い付き合いになったね。
周りの雑音に振り回されることなく、自分の課題に黙々と向き合う君は、
「キートスの文化」そのもののようでした。
僕は君の父親ではないけれど、大事に大事に育てて来たような想いがしています。
君がテキストの分からない問題に印をつけて、
「せんせ~い」と質問に来てくれるのが本当は内心嬉しくて堪りませんでした。
でもね、もう君に中学受験の内容で教えなければならないことなんてほとんど残っていないんだよ。
全ての情報は問題文に書かれてあるから。
後は自信を持って、いつも通り条件を整理していくだけ。
「こんなこと書いて何か意味があるのかな」なんて思わないでね。
一見意味の無いようなものを視界に入れることが出来た者にだけ見えてくる世界があるから。
君の笑顔は忘れません。
今日までありがとう。
健闘を祈っています。

S・S君
ダブルスクールからのスタートだったね。長い付き合いになりました。
あのね、君は本当に賢い子だと思う。
これは今年の他の6年生たちも認めていることだと思う。
解説をしながら、君の理解力にはいつも感心させられる日々でした。
だからもっと自信を持っていいんだよ。
今日はどの科目でもいつも以上に問題文を丁寧に読んで来て欲しい。
勝手に自分の限界を決めてしまわないでね。
名前の通り、君は必ず飛び羽ばたいて行く子です。
他の子と比べる必要なんてないんだよ。
「まあ、この辺でいっか」って、適当に着地点を決めないで。
どこまでも羽ばたいて行くつもりで歩んでください。
お父さんもお母さんも僕も、君の飛躍を信じています。
君が教室にいるといつも何故かホッとしていました。
なあ、S君。
明日から君に会えないのは寂しいよ。
今日までありがとう。
健闘を祈っています。

S・Sちゃん
一般的には少し遅めの中学受験生活のスタートとなったけれど、
今となってはそんなことが信じられないくらい優秀な受験生となってくれました。
同級生だけど、どことなくみんなのお姉さんのようで、いつもみんなのお手本でいてくれたね。
みんなあなたを目標とすることで頑張れたこともあったと思う。
そんなあなたが僕にとっても心の拠り所でもありました。
結局、過去問20年分以上一緒に解いたね。
そんな子は未だかつてキートスにはいなかったよ。
だから自信を持って。
いつも僕の代わりのように、丁寧に解いて見せてくれたね。
そんなあなたに解けない問題なんて、もうほとんど無いと思う。
今となっては、「上手く行かないな」と思った時には別の解法を考えられるくらいの余裕もあるはず。
だから慌てないこと。
そしてむしろ、「楽勝だ」と思った時ほど、その場で一旦立ち止まってみること。
あなたの勉強面でのこれから益々の成長をずっと見ていたい想いでいます。
既に優秀なあなたにも、まだまだ伸びしろはたっぷりです。
今日までありがとう。
健闘を祈っています。

Y・I君
初めて会ったその日から、君があんなレベルでくすぶっているような子ではないと確信していました。
あれよあれよと、一気に駆け上がって行ったよね。
僕の解法をそのまま丁寧に真似して応用して見せてくれる君のことが、嬉しくて頼もしくて、
いつも他の子に紹介していました。
君の素直さには感心させられっ放しでした。
1週間のうち、君に会える時間は限られていたけど、
君が教室に来てくれると、なんだか僕自身、「味方」が来てくれたように感じていました。
いよいよだね。
本番に強い君だから大丈夫。
きっとどんな問題も君にとっては簡単だから、勝手に難しいって決めつけないで。
あとは君のいつもの丁寧さが加わればどんな「敵」も倒せます。
試験問題を楽しんでおいで。
今日までありがとう。
健闘を祈っています。

R・Y君
僕が解説をしている間、その解説に熱中するあまり、
そっと僕にくっ付いてみたり、そっと僕の手に手を乗せてみたり。
それでいて、時折見せるキリっとした目。
そんな君が可愛くて仕方がありませんでした。
いよいよだね。
緊張してるかな。
「上手く行かないな」・「ちょっと難しいな」って思った時こそ、
僕との授業を思い出してみて欲しい。
きっと僕はいつものように、「どこに『あれ』書いてあるの?」って聞くだろうね。
そう、いつも通り『あれ』を書くのだ。
丁寧に書きさえすれば必ず見えて来るのだ。
そして正解しちゃうのだ。
面倒がっていてはダメなのだ。
時間が無いからって焦る必要は無いんだよ。
君との授業はいつも僕にとって楽しい時間でした。
今日までありがとう。
健闘を祈っています。

T・I君
お姉ちゃん・お兄ちゃんの傍で、いつも君を見て来たから、
そう考えると随分長い付き合いになったね。
あの可愛かった君が僕の横で、
「ちょっと待って。もう出来そう。」と言って入試問題を解いて見せる姿には感慨深いものがありました。
もう僕が言わなくても大丈夫だろうけど、泣かないでいいんだよ。
自信を持ってね。
スピードよりも正確さ。それが君の強みだよ。
必ず問題文にヒントが書いてあるから、
いつものように上手に絵を描いたりしながら、整理してみて欲しい。
時間いっぱい投げ出さないで、
君のその学校に対する想いを答案用紙にぶつけて来てください。
今日までありがとう。
健闘を祈っています。

Y・T君
初めて会ったその日から、とにかく君は抜群に優秀でした。
お母さんと二人三脚での中学受験だったね。
お父さん・お母さんに感謝してね?
「先生に教えて頂いた問題は、解き直しをしても全て正解しています。」
とお母さんからメールをもらう度に、密かに僕自身も喜びを感じていました。
キートスではなんだかレアキャラだった君だけど、教室に来てくれた日には、
みんな君の振る舞いや君の解き方に注目していました。
君との授業は僕にとって本当に楽しいひと時でした。
いつもお手本でいてくれてありがとね。
いよいよだね。
一昨日見せてくれた表情からは、きっと大丈夫だと思えました。
ちょっぴり不安もあるのかもしれないけど、確かな自信もあるよね。
ビシッと決めて来てください。
君なら大丈夫。
今日までありがとう。
健闘を祈っています。

K・I君
さて、I君。
君のことは何度も叱って来たけれど、君が教室にいてくれることで救われたことも多々ありました。
君のいないところで、みんなと「I君はいい奴だよね」って話していたのはここだけの内緒です。
決して長い付き合いではなかったけれど、
君とはなんだか随分と長い時間を共有して来たように感じています。
さていよいよ受験だね。
君とはなんだか、中学受験がちっぽけなものに思えて来るよ。
君はきっと大物になる。
まずは目の前の「敵」をやっつけて来ようか。
いつも言って来たつもりだけど、君は君のやり方でいい。
君は王道を歩む必要はない。
君の最大の強みは、その言語力の高さです。
問題文との「対話」を存分に楽しんでおいで。
これからの人生で君が今以上に語彙を増やして行くと面白くなるだろうな。
I君、大丈夫。見てる人はちゃんと見てくれているから。
信じてるよ。
男を見せて来てください。ビシッとね。
今日までありがとう。
健闘を祈っています。

A・S君
まずはお母さんをはじめ、僕のことを全面的に信じてくれて今日までありがとう。
僕の解説ノートを家宝みたいに取っておいてくれてたみたいだね。
そんなに大した物じゃないから、受験が終わったら遠慮なく捨ててね。
君は何をするにも、いつだって丁寧だったね。
よく僕の真似をして解こうとしてくれたね。
若干こだわりも強いんだろうけど、問題を綺麗に解けなくったって構わないんだよ。
勘でもいい。
君の真面目さはちゃんと伝わってるよ。
いつまでも真面目なままでいて欲しいな。
なあ、A君。
君が僕の横で、みんなに隠れてこっそり悔し泣きしていたこと、
僕は決して忘れません。
泣かなくていいんだよ、ちょっとしたミスだから。
でも、そのミスであったり、問題文の読み間違いであったりが「命取り」になってしまうこと、
今の君は理解してくれていると信じてます。
だから大丈夫。
あれだけ過去問を舐めるように解きまくったんだから。
自信を持ってね。
今日までありがとう。
健闘を祈っています。

A・Iちゃん
短い付き合いではあったけれど、このメッセージ見てくれてるかな?
初めて会ったその日から、あなたはビックリするくらい算数が出来てたね。
その分、他の科目が弱く見えてしまったこともあると思う。
そんなあなたに勉強以外のことも伝えてあげられる程の時間は無かったけれど、
もっと時間を共に出来ていたらな、と僕自身思うこともありました。
あまり詳しくは知らないけれど、様々な分野で何をやってもよく出来るあなたは、
広い世界に羽ばたいて行く子だと思います。
最後までキートスで勉強をしてくれたこと、本当に嬉しく思っています。
いつかまた教室で会えるといいな。
今日までありがとう。
りんご食べてね。
健闘を祈っています。

 

以上、10名。
本当であれば、もうあと数名、メッセージを送りたい子もいます。
陰ながらエールを送ります。
応援してるよ。

さてさて、受験生諸君。
今これを読んでいるのは朝ごはんを食べながらなのかな。
それとも試験会場に向かう道中なのかな。
忘れ物はないかな?
豆招き猫は持った?
それ御利益あるからね?
マスクはしてる?
手袋してる?
りんごは食べた?
じゃあ大丈夫。
今少し緊張してるだろうけど、
その緊張をどうか楽しんでください。

それでは僕から最後のお願いです。
毎年受験生たちには言って来たことだから、知ってる子もいるかな。
今、目の前、いや、後ろかな、それとも隣かな。
君たちの傍にいる君たちにとって一番大切な人たちに伝えて欲しい。
「今日までありがとう」って。
思い返してみて欲しい。
この受験生活、その人たち無しではあり得なかったよね?
考えただけでもゾッとすると思う。
いつも当たり前のように君たちに朝ごはんを食べさせてくれて、
当たり前のように君たちを送り出してくれて、
当たり前のように教室まで送ってくれたり、
当たり前のようにお弁当を作ってくれたり。
そして当たり前のように「お疲れ様」・「おかえり」・「おやすみ」って言葉をかけてくれる。
今日もきっと試験会場まで当たり前のように君たちを送ってくれるはず。
そして当たり前のように手を振って送り出してくれる。
君たちは全部当たり前だって言うかもしれないけれど、
こんなに有り難いことなんて無いはずだよね。
どうか君たちにとって大切なこの数日が、
君たちが君たちにとって大切な人たちに感謝する日々でありますように。
僕は今それだけを願っています。
もちろん君たちの合格もね。
「言霊(ことだま)」って知ってるかな。
そう、言葉には魂が宿ってるんだよね。
あんまりにわかには信じられないかもしれないけれど、
いつも恥ずかしくて言えないその言葉を、
今サラッと伝えてみて欲しい。
きっと君たちにとってもなんだか不思議な力が湧いて来るはずから。
「先生に言えって言われたから」とかでもいい。
どうにも恥ずかしいようなら、フィンランド語を使ったっていいよ。
「今日まで『キートス』ね」ってね。
そして試験会場に着いて、「行ってきます」って言ったら後ろは決して振り返らないこと。
君たちにとってのその大切な人たちは、もしかすると視界がぼやけちゃってるかもしれないから。
その大切な人たちは、君たちのその背中を見るために、今日まで君たちに付き添ってくれたんだから。
自分の時間なんかも犠牲にしてね。
きっと明日からもずっとだろうね。
ほんとキートスだよね。
君たちのその気持ち、伝えるとしたら今しかないよね?

よし、これでもう大丈夫。
あとは君たちが今持っている力を全て出し切って来るだけです。
持っていない力まで出そうとしなくていい。
君たちにはもう十分な力があるから。
自分を信じて、この人生の大きな一歩をどうか楽しんで来てください。

では、僕からも大切な君たちへ。
君たちと出会えた奇跡に心から感謝しています。
今日まで本当にありがとう。
健闘を祈っています。

学習教室キートス
遠藤佳映