2024年1月31日

2024年1月31日

さてさて、今年もとうとうこの日を迎えてしまいました。
無事受験生たちを送り出せたことに、
今はただほっとしています。
今年もまた、恐ろしいほどのスピードで月日が流れて行きました。
まだまだ2月中旬以降も入試は続きますが、
一先ず、この1月31日という節目の今日、
一年を振り返ってみたいと思います。

世の中の時事ネタを綴っても仕方がありませんが、
塾という小さなコミュニティーにおいても、毎年「主役」は入れ替わります。
今年度のキートスの小さな主役たちもまた、
春先こそ頼りがいのないように映りましたが、
確かな努力の日々を経て、立派な姿で今日という日を迎えてくれました。
どうやら毎年そういうもののようです…。
例によって私は彼らとの良き想い出を一つ一つ忘れていってしまうのだろうと思いますが、
「もういいから、いいから~」という声を無視して、
半ば無理矢理に握手して送り出したこの瞬間を、いつまでも覚えていたいものです。
例に漏れず、尊い勇士たちでした。

毎年少なからず感じているはずではあるのですが、
今年度ほど「この仕事」の難しさを改めて思い知らされた年も無かった気がしています。
どの科目においても、受験学年となって入試演習をスタートさせるまでは、
「徹底して教え込む」インプットの日々が必要であるという認識に変わりはありません。
やはりインプット無くアウトプットなどあろうはずもありません。
ですが、その「インプットのさせ方」に、
我々大人はもっと徹底してこだわるべきなのではないでしょうか。
何でもかんでも教えればよい、というものでもありません。
入試もまた「試合」であるとするならば、
その「試合の場」にまで指導者が隣りにいてあげられる訳ではありません。
「試合」では「一人で」立ち向かわなければなりません。
であるならば、
「どうやったらこの子たちが一人で戦えるようになるか」を考え、実践することこそが、
我々の「仕事」なのであろうと思います。
言うは易し、なかなかこの仕事の「正解」が私には見えて来ません。
いえ、果たしてそんなものがあるのかさえも…。

時に、「その姿」を見せること。
時に、その場にただ黙っていること。
時に、強引に手を引っ張ってあげること。
時に、放っておくこと。
時に、一緒に「失敗」すること。
時に、「その喜び」を共有すること。
時に、「歴史」を語ること。
そして何より、「時間」を共にすること。

彼らの人生において、あっという間に過ぎ去ってしまうようなこの月日、
何を残してあげられるかとじっくり考えている暇はなかなかありません。
私自身「間違いだらけ」の日々ですが、
共に全力で駆け抜けた「時間」だけは確かな事実であるはずです。
今はただ、彼らが私を踏み台にして、
広い世界に羽ばたいて行ってくれることを願わずにはいられません。
そんな彼らに、今年もまたエールを送りたいと思います。


さて、受験生諸君。
心の準備はいいですか?
今朝はスッキリ起きられましたか?
試験そのものはあっという間に終わってしまいます。
「冷静に、いつも通りに」が出来ると良いけれど、
毎年の受験生たちを見ていると、それもなかなか簡単ではないみたいです。
人間、究極の状況に置かれるとやっぱり「ミス」をするもので、
それも含めて「本番」では君たちが「試される」。
色んな意味で震えるね。
では最後の最後に少しだけアドバイスを。

見慣れたような問題でも、必ずまず問題文をよく読むこと。

勝手な思い込みをしないで、「問いと会話する」つもりで素直に答えていくこと。

あくまでも「問いに答える」こと。

「分かるわけない」じゃなくて、「分かるはずなんだ」と思うこと。

答案用紙に「合格したい想い」をぶつけること。

そうすれば、自然と綺麗で読み易い字になるよね。

そして、最後の最後まで絶対に諦めないこと。

 

一時はどうなることかと心配したこともあったけれど、
最後にはちゃんと仕上げて来た君たちも、
やっぱり立派な受験生でした。
君たちのことを心から誇りに思います。
今日までよく頑張ったね。
色んなことを犠牲にして、本当によく頑張った。
お世辞じゃなく、本気でそう思っています。
大丈夫、ちゃんと「美化」するから!(笑)

「合格」欲しいね。
合格したいね。
そのために頑張って来たもんね。
合否は君たちにとって何よりも大切なことだと思う。
でもね、今は分かってくれないかもしれないけれど、
君たちなりに今日まで頑張り抜いたことそのものにこそ、大きな価値がある。
そんな環境・経験を与えてくれた家族や周りの人たちに、心から感謝してください。
まあなかなか言葉に出来ないだけで、君たちにもそれくらい分かってるよね。
でもだからこそ、今日くらいは敢えて言葉にして欲しい。
「ありがとう」ってね。
自分にとって大切な日に、周りで支えてくれている人たちに感謝出来るような、そんな子に、
「受験の神様」はちょっとだけ「ご褒美」をくれるような気がします。
信じるか信じないかは君たち次第。
でも案外「見られてる」ものだよ。

さあ本番です。
この緊張と興奮と不安が入り混じったような日々を、存分に楽しんでおいで。
いつも言ってるけど、算数なんてほんとに「楽しんだ者勝ち」です。
自信を持って、君たちが憧れた学校の入試問題を、心の底から楽しんで来てください。

また長くなっちゃったね。
いつも話が長いね…。
君たちを送り出して、今ちょっと寂しいだけです。
もう解放します。

今日までありがとう。
「あのさ~、これさ~」
「えへへ、そういうこと~!?」
君たちとの日々はいつも僕にとって楽しいひと時でした。
冗談なんかじゃなく、これは紛れもない本音です。
ありがとう。
また会おうね。
君たちの健闘を心から祈っています。

2024年(令和6年)1月31日
学習教室キートス
遠藤佳映